福知山線事故 過密ダイヤ?

ダイヤは過密ではない
尼崎の列車脱線事故について、福知山線のダイヤが過密であった旨の報道がなされています。
しかし、福知山線のあのあたりでは、一番本数の多い7時代でも1時間に16本程度しか走りません。これは、大阪や東京などの大都市においては、それほど多い数字ではありません。
増してや、今回の9時あたりの列車は、1時間に12本程度です。これは、大して大きい数字ではありません。
東京のJR山手線とか大阪の地下鉄御堂筋線は、2分未満の運行間隔であり、1時間に30本以上やってきます。これに比べれば「過密」ということは言えません。
私は、過密ではなく、ダイヤの複雑さと余裕の無い運転時分が問題ではないかと思っています。
http://tanaka.sakura.ad.jp/archives/000309.html

そう。過密ではないんです。関西のダイヤ事情はよく知りませんが、東京の主要路線の朝ラッシュは大体平均しても2分に1本、30本/1時間くらいは走っています。しかもその中に各駅・快速・急行等の色々な停車パターン、そして各支線から合流してくるものが入り乱れています。これくらいのダイヤの過密になると、100km/h超えはまずできないでしょう。


いつも自分が使っている京王線の、本数が多い 調布-新宿間で朝と昼の時間を比べてみても、
昼は特急で 15分
朝は通勤快速 30分
同じ区間で2倍かかります。
昼の特急は100km/hを超えて走ります(制限速度を無視しているわけではなく。)
朝は40〜70km/hくらいでノロノロ走ってます。


余裕のない運転時間設定、そして遅れの許されない上からの圧力が少なからず今回の事故の要因となっていることは間違いないと思います。さっき日テレのバンキシャでこの事故についてやっていましたが、オーバーラン等があった場合、教育という名の罰則があることを取り上げていました。他の社員への見せしめ等、この「教育」が元で過去に自殺した社員もいたとか。そうなると今回の事故は車両や線路の物理的要因よりも人的要因が大きな要素となっているのは間違いないと思います。
線路付け替えでカーブが急になったとか言っていますが、これも急になった事が問題じゃなくて、カーブが急になり、遠回りして時間がかかるようになったはずなのにダイヤ上は同じ時間のままになっていたことが問題。

 兵庫県尼崎市のJR宝塚線福知山線)の電車脱線事故の現場は、線路の付け替えでカーブが急になっていたことがわかった。同線は約1年半前のダイヤ改定で快速電車の停車駅が増えたものの、一部の車両は所要時間が変わっておらず、運転が難しくなっている区間で、運転士は走行時間短縮を迫られていた。
 脱線現場は以前は直線区間で、その後、半径600メートルのカーブになった。しかし、97年に宝塚線が別の線と乗り入れたのに伴って、大きく西方向に曲がり、今の半径300メートルのカーブに変わった。
 一方、03年12月のダイヤ改定で、宝塚線中山寺兵庫県宝塚市)も快速の停車駅になった。しかし、宝塚駅と尼崎駅の発着時刻が改定前と同じになっている電車があった。停車駅が一つ増えると50〜60秒が余計にかかる。それでも所要時間が同じ場合、運転士は走行中に時間短縮を迫られ、速度を上げることがあったという。
http://www.asahi.com/national/update/0501/TKY200504300224.html?t

これは、JRの営業事情による線路付け替えや快速停車駅増加に伴う利用時間増加を
・利用者が許さなかった
・他路線との競合もあり、利用者を敵に回すわけにはいかなかったのでダイヤ上は変わらぬ時間で設定した
・その結果、余裕のない、むしろ無理のあるダイヤ設定
・そして運転士へのプレッシャー


「列車の遅れはお客様の信頼を裏切る」
なんていう「安全第一」と矛盾してそうな文書を先月頭に配布していたという話もあり、JRの経営方針の責任が問われることになるでしょう。


さて、実際に車両に乗っていた記者さんやブロガーさんの記事を見ると、ニュースで見るのとまた違う視点で見れます。毎日乗っている鉄道の事故だけに、他人事に思えず改めて恐ろしくなってきます。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/archive/news/2005/05/01/20050501ddm001040006000c.html
http://io5.no-blog.jp/iolog/2005/04/post_60b2.html